“できないとは言わない” 目指すは夢を叶える家づくり
代表の神庭健治さんは、雲南市大東町海潮地区で生まれ育った。父親の勧めもあって建築業界に進み、県内の工務店で経験を積んで1992年、ガンバ建築建設として独立。2004年に建設から施工までを行う工務店として建人を設立した。一級建築士や施工管理越しがそろう少数精鋭部隊だ。「この土地が好きだし、ここから発信したい。それに個人店が一生懸命頑張っていたほうが地域に活気がでる。地元の活気にもつながればいい。」
地域の仕事を積極的に手掛けてきた。代表的なのは、全国で知られる地元の須我神社。2001年の遷宮の際には本殿の屋根を、その後も大鳥居の設計や髄身門と授与所の設計と建築も担当した。大鳥居は免震設計で「最近では稀になった考え方だ」とベテランの石職人から驚かれたと振り返る。技術力を生かし、年間150~200件の新築、リフォームを請け負う。得意なのは、日本古来の家づくり。環境と調和し、家族のだんらんが自然と生まれるような、心から“住みよい家”を提供したいのだという。しかし、それ以上に大切にしているのが“できないことはない”。「お客さんは夢を抱いてお金をかけられる。どんな注文だろうが、プロとして実現する。何でもできる。できませんとは言いませんよ。時間とお金がかかることはもちろんありますが。」と神庭さんは笑う。
そのためにも、お客さんとしっかりコミュニケーションをとる。例えば「窓がほしい」と言われても、景色が見たいのが、明かりを取りたいのか、風通しを良くしたいのか、理由によってどんな窓かは大きく変わってくる。場合によっては窓でなくてもいいかもしれない。「なんのためにという観点を大切に、お客さんの夢をうまくリードしてあげたいですね。」古民家のリフォームを依頼され、構造を調べ上げて、骨格を壊すことなくイメージチェンジしたこともある。暗くて圧迫感のあった家が、風通しのいい明るい家になったと喜んでもらったという。「引き渡し後にわざわざ見に行くときもありますよ。夜、明かりがともって生活されているのを見ると、育てた娘を嫁にやった感覚というか、喜びがあって。やっぱり建築士が好きなんでしょうね。」
神庭さんは今後、地元で自然を壊さずに山の斜面や荒れ地を生かすような家、団地づくりにチャレンジしたいという。「ようやく田舎が売りだせる社会的な風潮になってきた、いいタイミング。技術がある雲南市の設計事務所、工務店と一緒に、地域をあげてやってみたい。」
できあがりまで見届けることができるのが魅力
-建築と女性というと一見遠いイメージがあるが、どんなきっかけで入社したのだろうか。
秦さん:土木の設計コンサルタントをしていましたが、幼いころの夢が家を建てることだったので、ハローワークで近くにある建築の仕事を探したら「絶対ここがいいよ。希望している職種ぴったりだよ。」と勧めてもらいました。
拵さん:父が社長ということで、最初はちょっとお手伝いのつもりで広告関係のデザインのしていました。そのうち設計もやってみないかと言われてやってみたらプレゼンで勝ち、意外と才能あるかなと(笑)。
-毎日の仕事ぶりややりがいは。
秦さん:昨年入社したばかりで社員に教えてもらいながら、勉強中です。プラン作成でも社長が意見を聞いてくれ、チャンスをくれるのがありがたいです。やっぱり図面描いてできあがったときはうれしいですね。CADをもっているので家でも暇があると図面を描いて遊んでいます。また、今までの仕事では図面を描いてあとはやってくださいで終わりだったのですが、この会社は設計と施工両方あるので、できあがりまで見届けることができるのも魅力です。
拵さん:担当する案件の間取りをつくって、現場に出かけて施工図を見ながら内装をどうするかなどプランニングします。幅広い知識が必要で、こんなに責任が重いんだと痛感しています。ホームページやパンフレットもつくっています。お客さんの想いを引き出すことにやりがいを感じますね。ライフスタイルを考えて、自分の中でシミュレーションして、ここにこれがあった方がいいな、とか。ぴったりきたと喜ばれるとうれしいですね。
-話しながら笑顔が絶えない2人。今後の目標を聞いてみた。
秦さん:お客さんに提案して通るようなプランニングをして、一軒建ててみたいです。施工の管理もできるように施工管理技士の資格も取りたい。いい先輩たちがいるので、現場も見て設計もできるようになりたいです。
拵さん:女性が現場って嫌がる人多いと思うんですが、秦さんは本当に、行きますー!って、屋根まで登って、めっちゃキラキラしているんですよ(笑)。
秦さん:皆さんすごく優しくて、働きやすいです。
拵さん:私は詳細な図面を描けるようになりたいですね。社長の持っている幅広い知識を盗みたい。スキルはある会社なのに、伝達ができていないのが課題だと感じています。愛着もあるので、受け継いでいきたいです。
Q&A 一問一答
Q 建人という社名の由来は?
A 最初は設計事務所でしたが、どんどん工事もするようになり、工務店として設立しようと。従業員にも聞いたり、すごく悩んだのですが「建てる人」というのをそのまま使い、プロ意識も感じさせる名前にしました。(神庭代表取締役)
Q 子育てしながら働くのは大変ではないですか?
A 小学校と高校生の子どもがいます。週4日、9時から17時半までという勤務形態です。急に休む時も快諾してもらっています。(秦さん) 私も保育園の子どもがいて、9時出勤。熱が出ると休んだり在宅勤務したりします。子連れ出勤OKで一時は設計室にベッドを置いてもらっていました。(拵さん)
こんな人と一緒に働きたい!
▷ものづくりが好き
▷学びたい意欲がある
建築業界でも分業化が進んでいる昨今ですが、建人では、設計と施工を一貫して受け持つことができ、仕事範囲も宅建業から家具制作まで幅広いです。資格の取得も後押ししますし、学びたい意欲がある人に向いていると思います。ぜひお待ちしています!
企業概要
有限会社建人
代表者 神庭健治 代表取締役
創 業 平成4年5月1日(カンバ建築設計として)
設 立 平成18年4月1日(有限会社建人として)
社員数 7名
事業内容 ●建築の設計・施工・管理
●エクステリアや家具の製作
●軽微な土木工事
●建築資材の販売
●宅建業
●ローン・助成金等各種手続き
所在地 〒699-1205
雲南市大東町須賀66
電話番号 0854₋43₋6818
H P http://user.yoitoko.jp/kanba66/
<取材時期>
2018年