枠にとらわれない新しい保育のカタチにチャレンジ中!
「子育てするなら雲南市」というスローガンのもと、乳幼児期の子どもの心身の健やかな育ちを保障するため、平成20年に創業(NPO法人明育会として事業開始)。理事長のご子息である本部長の白根さんは、高校卒業後、約30年ほど大阪で働いていたが、保育事業を継ぐべく2年前にUターン。保育業界に入ってまだ2年目だ。大阪時代は大手メーカーで営業をしていた。その時の経験から「理念のないところには成功はない」という信念をもち、従来の保育とは違った視点から園の経営を考え「創造的に働くことが大切」と語る。
「お子様を安全に預かることはもちろん、子どもが就学するまでにどれだけの体験をさせるか、その専門職だと思っています。地域の方や学生さんと取り組む世代間交流が多いことも園の特徴。笹巻き体験や、地元野菜で作った給食を提供するなど自然に恵まれた保育環境を生かして、個性豊かで、工夫された保育を目指しています。」
また保育士である前に一社会人としての振る舞いが大事だという。「“人間として何が正しいのか”。専門的な研修はもちろん、哲学とか道徳などの研修も法人として積極的に取り入れていきたい。」と話す。
「昨年は事業開始以来、初めて大卒職員を迎えることができました。法人として成長していくためには若い方の力を受け、育成していくことが欠かせません。私たち職員も、新人を育てるという経験ができ、保育士としても人としても成長できるいい機会になります。」
保育士の社外活動にも理解がある。実施する幸雲南塾(地域の未来を切り拓いていく人材を育成する雲南市独自のプログラム)に参加し「自然保育」のプランを発表し実践している保育士に対しても、「彼の夢を応援しているし、活動を通して保育のプロという自覚が強くなり、他の保育士など周りの動きも考えて行動出来るようになった。」その成長を認めて、主担任を任せたという。
そんな白根本部長からは面白いアイデアが溢れてくる。2018年4月からは「みなみかも保育園」を新設。園庭を広くするほか、「プログラミング教室」や「マルシェ」など地域を巻き込んだ講演会やイベント等、ソフトの拡充に応える施設を整備した。「従来の形にとらわれず地域の声に耳を傾け、ニーズのあるところに出向いていける保育園を目指していきたいですね。例えば、地域の高齢者×育児や企業内保育など、“こんな保育システムあったらいいな”を実現したいです。」白根本部長の夢は膨らむ。
自然や地域の人との触れ合いを通じ、子どもの成長を日々実感
-ともに雲南市出身で鳥取県の短大を卒業後、Uターン。新卒入社のフレッシュな二人に話を聞いてみた。
田部さん:私はこの園の卒園生です。当時好きな先生が園にいました。その先生への憧れから、小学校くらいにはすでに保育士になろうと決めていました。
宮崎さん:小学校の時、児童クラブに通っていました。そこで4、5歳くらいの子と遊ぶ機会があり、お世話をするうちに保育士に興味を持ちました。
-県外の大学で保育を学んでいた二人。「在学中から地元の保育園で働きたいと思っていた」と口を揃える。
田部さん:中学や高校の時にこの園にボランティアで毎年来ていました。ここで働きたい!という気持ちをずっともっていました。
宮崎さん:私は就活中に見学して、雰囲気が良かったので入職を希望しました。実際保育のことなど何でも相談しやすく、若手である私たちが提案した意見も採用される風土があります。
-二人はそれぞれ年齢の異なるクラスの副担任として活躍している。
田部さん:“自分が一番”という自我が強く、活発に遊び始める1歳児のクラスを担当しています。遊びの内容を私が主体になって考えることもあります。子どもたちがどうやったら楽しく遊べるか、「まだ遊びたい!」と嫌がる子どもに、どう声掛けをして給食に移らせるかなど、試行錯誤を繰り返しながら次に繋げていきます。子どもたちの言葉や行動に私自身がたくさん共感して、子どもたちとの関係づくりを大切にしています。最近、子どもたちが名前で呼んでくれるようになったのは嬉しかったですね。
宮崎さん:私は3歳児クラスを担当しています。園の周りは赤川、丸子山、阿用川など大自然がすぐそこ。いつでも遊びに行ける恵まれた環境にあります。ちなみに園の近くに柿の木があるのですが、昨年の秋は、子どもたちと散歩に行って、柿をとって食べたりもしました。なかなか他では経験できないんじゃないかな。地域の方とも距離が近く、餅つきや笹巻き体験など、いろいろな行事を一緒にすることができます。地域の人に見守られながら自然の中で過ごすことで、子どもたちがたくましく成長しているなと、日々実感しています。
Q & A 一問一答
Q 園の行事ではどのようなことを行っていますか?
A 笹巻き行事や、芋掘り体験。かもめ保育園でいうと、「グランマ」さんという高齢者の方々が歌を披露して、園児が楽しんだり。クリスマス会では雲南市在住の国際交流員さんがサンタクロースとして園児と交流してくださっています。(田部さん)
Q 民営の保育園である強みは?
A フットワークがいいところですね。例えば、保護者の方からいろいろなご意見、ご要望をダイレクトに頂戴しますので、保育園の運営に役立てることは多々あります。保護者や地域の声を真摯に聞き、新たな事業ニーズの開拓も考えながら園の運営を行っています。(白根本部長)
こんな人と一緒に働きたい!
▷人生を大切にし、向上心がある
▷とにかく、子どもが大好き
まずは「何のために働くのか」を自分で考えることのできる人。常に反省や素直さ、そして創意工夫を念頭においてほしいと思います。保育の専門職である前に、一社会人として恥ずかしくない責任感や謙虚さをもって働ける人を期待しています。
企業概要
社会福祉法人愛耕福祉会
代表者 理事長 白根廣久
創 業 平成27年3月10日
従業員数 76名
事業内容 ●みなみかも保育園
●雲南市立かもめ保育園
●雲南市立大東保育園
●だいとう病児・病後児保育室「つくし」
●雲南市ファミリーサポートセンター(大東本部)
所在地 〒699-1104
雲南市加茂町南加茂41₋3
電話番号 0854₋47₋7037
HP https://www.aikofukushikai.org/
<取材時期>
2017年