
雲南市への移住のきっかけを教えてください。
私の中に地方で暮らすという考えは全くなかったのですが、夫の転職先がたまたま島根県だったため、当初は島根県に移住せざるを得なかった、という感覚でした。私自身島根県は行ったこともなく、暮らすイメージが湧かなかったですが、夫の転職が決まっているので引っ越しに向けて進めていかないといけません。ですが、転職先の事業所がある松江市でなかなか希望の住まいが見つからず。そんな中、夫が参加したオンライン移住イベントに出展していた雲南市の印象がとってもよかったそうです。地域の良さだけのアピールや形式張った移住相談が多い中、雲南市はリアルな暮らしを教えてくれたことや移住者と市のつながりの強さなどを感じられたので、興味を持つようになりました。その後、空き家バンクで気になる物件を見つけたので、直接自分たちの目で見てみようという話になり、1泊2日の『雲南つながる体験』を利用して初めて雲南市を訪れました。初日に希望していた空き家付近を訪れたとき、想像以上の田舎でびっくりしました。今だから言えますが、夫に対してちょっと不機嫌になるくらい(笑)。ですが、『雲南つながる体験』を通して先輩移住者と直接会って会話をしてみると、人の魅力や地域の魅力を感じることができ、少しずつ雲南市で暮らすというイメージが湧いてきました。
現在の仕事を教えてください。
東京で暮らしている時と同様にピアニストとピアノ講師の仕事をしています。ただ、東京での働き方とは少し変化がありました。ピアノ講師は、今まで大手楽器メーカーの講師として教室をもっていましたが、現在は個人で、自宅を活用して教室を開いています。ピアニストとして演奏する機会も東京より増えました。自分でコンサートを開かなくても、イベントや地域のお祭り、パーティなどたくさんお声がけいただいて、様々な場所で演奏するようになりました。想像以上に仕事は充実しています。住まいはどうやって決められましたか?
雲南市の空き家バンクからいくつか見てみたい物件をピックアップして定住企画員へ伝えたところ、「ここも見てみませんか?」と提案された物件が現在住んでいる家です。ネットで見たときは他の希望していた物件の方が魅力的に感じたのですが、実際に訪れてみてみると、まずグランドピアノが置けそうないい部屋があり、そして他の物件に比べてリフォームするところが少なかったので、今の住まいに決めました。元々賃貸で探していましたが、夫の職場周辺でグランドピアノが置けて猫の飼育が可能な物件を探すとかなり予算オーバーで。家を購入する気はありませんでしたが、今の住まいは安価だったので購入することにしました。毎月高い家賃を払う方が大変だったと思います。
雲南市で暮らしてみた感想を教えてください。
人がとてもあたたかいです。『雲南つながる体験』で雲南市を初めて訪れたときから人のあたたかさを感じていました。オンラインで相談をしたとき、おせっかいの人が多いと聞いていましたが、おせっかいと言うよりはちょうどいい距離感で面倒を見てくれます。この距離感がとても心地いいです。仕事も東京では自分で企画していくかコネやつてを使っていくしかなく、厳しさを感じていましたが、雲南市は知り合った人たちがつながりをどんどん作ってくれます。人とつながる早さにびっくりするし、ドンピシャな人とつなげてくれます。
移住してみて困ったことはありませんか?
私が車の免許を持っていないので、移動手段には苦戦しています。移住して2年以上経ちますが、今でも慣れないし大変です。歩いて5分以内にコンビニがある東京の生活に慣れていたので…。まだ買い物は我慢できますが、体調を崩したときに病院へすぐ行けないのはかなり困りました。北海道出身なので雪には慣れていますが、家の寒さには驚きました。1年目の冬にエアコンだけだと冬は乗り越えられないことを知り、石油ストーブを買い足しました。
これから地方へ移住を考えている方へメッセージをお願いします。
私は元々移住に対してマイナスの気持ちからスタートしました。島根県での暮らしが嫌だったわけではなく、東京でもっと頑張っていこうと思っていた矢先に、自分の意志とは関係なく急な移住が決定してしまったので、しばらくはマイナスな気持ちになっていました。ですが、実際に雲南市を訪れて雲南市の人と話してみると、この地域の魅力が伝わってきて考えが大きく変わりました。実際に訪れてみても「見る」だけでは魅力はわかりません。特に私のようにマイナスの気持ちでいる人は余計マイナスに見えてしまうだけなので。雲南市では1泊2日の『雲南つながる体験』を行っているので、うまく活用して地域の人や移住者の先輩と話してみることをオススメしますよ!小谷沙耶香さん
2022年10月に東京都からIターン
〈2025年3月取材〉
2022年10月に東京都からIターン
〈2025年3月取材〉