長田拡樹さん・千夏さんご夫妻


地方への移住を考えたきっかけを教えてください。

千夏さん―以前から田舎に住んでみたいと考えていました。地元でも多少は自然を感じられますが、もう少し自然が多い場所に住んでみたいと、だんだん思うようになりました。夫も田舎で暮らしてみたいと思っていたようで、2人とも同じ思いなら田舎へ移住しようと決断しました。
拡樹さん―移住前に勤めていた会社の転勤がきっかけで県外で暮らした経験があり、その時の暮らしがとても楽しく、地元以外のまちで暮らしたいなと思い始めました。漠然と田舎に住みたいと思っていましたが、田舎の中でも雪が降る地域に憧れていました。
 
 

雲南市への移住の決め手は何でしたか?

移住をしようと決断したものの、移住するまちは全然考えていませんでした。とりあえず「移住」をキーワードに調べてみたところ、雲南市が1番最初にヒットしたことからどんな地域なのか気になり始め、実際に2人で雲南市へ行ってみました。自然に囲まれていて景色も良く、いい場所だなと感じたので真剣に雲南市への移住を考えるようになりました。
そこから市役所へ問い合わせをして、体験プログラムを使って再度雲南市を訪れました。ちょうど大雪警報が発令された日で、体験プログラムの予定は変更せざるを得ない状況でしたが、雪が積もった雲南市の景色もきれいで、またこんな日に雲南市を訪れることもないだろうと、移住について前向きに進めていく良いきっかけになりました。
 
 

仕事はどうやって決められましたか?

拡樹さん―田舎へ移住するなら自然に触れる仕事をしたいと考えていたので、自然と触れる仕事といったら農業かな、と思い市役所へ相談しました。雲南市は野菜、水稲、畜産など農業の中でも幅広い選択肢があり、養鶏場を見学するなど色々と紹介していただきましたが、最終的にふるさと島根定住財団の事業、産業体験を活用し、『三代原ファーム』で体験を行うことにしました。水稲と野菜をメインに行っておられるので、農業の基礎を学べるかな、と。
千夏さん―私の場合はどんな仕事がしたいか全く決めていなくて、相談しながら決めていこうと思っていました。私も夫と同じく自然に触れる仕事を見学させてもらいましたが、なかなかこれ!と思う仕事に出会えず…。そんな悩んでいるときに訪れた『奥出雲葡萄園』の景色に感動し、「ここで働いてみたい」と思いがけず働きたい仕事に出会えました。現在は産業体験を活用して奥出雲葡萄園で葡萄を育てています。
 
 

住まいはどうやって決められましたか?

定住企画員に紹介してもらったので、住みたい家はすんなりと決めることができました。ただ、公営住宅だったので申し込みや審査に時間がかかり、なかなか決まらないことが不安でした。今の住まいは部屋も広く、日当たりもいいのでとても快適です。
せっかく田舎へ移住したので空き家暮らしも考えてはいましたが、雲南市自体が広く、どのエリアに住むべきか移住前から決めることができなかったので、これからゆっくり考えていきたいです。
 
 

雲南市に暮らしてみた感想を教えてください。

まずは景色に感動しました。自然に囲まれていて、とても住みやすいです。夜になると星がきれいで、ずっと眺めてしまいます。また、出会う人みんな優しくて、人のあたたかさに触れながら生活できています。お互い産業体験をしていることから、野菜やお米、ワインなど雲南の食の幸が手に入ることもうれしいです。あとは、全然道が混まないので快適です。個人的には道が混まないことがとてもうれしいです!
 
 

移住してみて困ったことはありませんか?

お店が閉まるのが早いので、たまに買い物には困ります。21時くらいまで営業してもらえると助かるのですが。他にも美容院や病院なども新しく開拓していかないといけないので、まだどこの美容院がオススメなのかとかがわかっていません。コンビニは意外とたくさんありますが、セブンイレブンがありません。セブンイレブンのATMだと静岡の地方銀行のカードを利用することができますが、ないので困っています。寒くなってきた秋やここ最近の季節に困るのは、カメムシです。あまりにも多くてびっくりしました。洗濯物にも付いちゃうので…。雪はあまり困りませんでした。体験プログラムで来た日に大雪を経験したので。
 
 

これから地方へ移住を考えている方にメッセージをお願いします。

私たちは移住をすると決めてから、雲南市へ3、4回訪れました。移住する前に実際に訪れることはとても大事だと思います。また、訪れる際に市役所を頼ることは大事だなと感じました。体験プログラムなど活用できる制度があるので、移住を考え始めたら一度相談することをオススメします。調べただけではどんな制度があるのかわからなかったり、使える制度を使わないで移住してしまう可能性もあるので。念願の田舎暮らしはとても充実していて楽しい日々を送っていますが、カメムシが多いことだけは覚悟した方がいいですよ!



 
長田拡樹さん・千夏さんご夫妻
2021年7月に静岡県からIターン
〈2022年3月取材〉