空き家を探す

2024年06月20日
りなぴ

もし今日災害が起こったら


わたしが住んでいる地域は、令和3年度の豪雨災害で甚大な被害に遭いました。
あの災害から防災意識は高まり、梅雨の時期には毎年防災グッズを見直すなど、大雨に備えた準備をしています。
意識が高まったのはわたしだけではなく、あの災害を経験した人はみんな高まっていると思います。

今年も梅雨の時期を迎え、わたしたちの地域では「もし今日災害が起きたと想定して」という意識のもと、防災メシや防災グッズを作ってみました。
 

まずは地域の避難所にある防災備品が入った倉庫から、防災メシを作るための道具を準備。
鍋、ガスコンロ、ガスボンベ、保存水などなど…。

「今日は暑いけど、もしかしたら大雨が降っているかも」
「昼間じゃなくて夜の場合、停電していたら見えないかも」
様々な想定をしながら、準備を進めていきます。
 

早速調理を始めていきます。

今回作る防災メシはご飯と蒸しパン。
ポリ袋を使って簡単に作れるとのこと。

まずはお水を沸かします。
水は断水していると想定して、保存水を使用。
停電やガスが使えない場合を想定して、ガスコンロを使用。

お水の量ですが、レシピには正確な数字が書いてあります。
でも、災害時は水をいちいち測っている場合でもないかもしれないし、測りがあるかどうかもわからない。

今回は正確に測って「これくらい使うんだ」という水の量を皆さんに覚えてもらいました。
災害時、目分量で行う時にこの経験が活きるはず。
 

蒸しパンはホットケーキミックスで作ります。
水を入れて、粉っぽさがなくなるまで手で揉みます。

お米はとぎません。断水している想定なので、保存水はできるだけ節約したい。
料理以外に使う可能性もありますから。(身体を拭いたり、トイレに使用したり)

お米とホットケーキミックスの準備ができたら、沸騰したお湯へ入れて30分間煮ます。
 

出来上がりを待っている間に、防災グッズを作成します。

まず、防災メシを食べるための皿を作ります。
地震の場合、皿が割れている可能性がありますよね。
 

わたしはふね型という皿を新聞紙で作ってみました。
災害時でも紙があれば作れます。

そして、靴を履かずに避難したことも想定し、新聞紙でスリッパも作りました。
 

新聞紙だと薄いイメージがありますが、意外と履きやすくて安定感もあり、何より暖が取れます。
このスリッパは家族分作成して、家にある防災バッグの中に保管しておこうと思いました。



そうこうしているうちに30分が経ちました。
お米と蒸しパンは完成しているのか…!?
 

ジャジャーン!
た、た、炊けてる!!!
しっかりとごはんだ!!!

写真はないですが、蒸しパンも膨らんでいる!!!
 

それぞれが作った皿へ配っていきます。
今回参加した地域の方は10名。
お米は2合分炊きました。

お皿に乗せると…これだけ。
ちょっと物足りないですね…。

2合を10人で分けるとこれだけ、っていうことが分かったのも学びでした。

ちなみに梅干しや蕗は参加者が持ってきてくれました。
ごはんだけだと味気なかったと思うので、ありがたかったです。
「保存食は災害時に活躍するね〜」「やっぱり昔の知恵はすごいね」と話が盛り上がりました。



さてさて、蒸しパンの出来は…!?
 

ふっくら!美味しい〜!!!
こちらは意外とたくさん出来上がり、おかわりすることもできましたよ!

卵や砂糖は入っていないので味は薄めですが、災害時に甘いものが食べられることだけでもありがたいので、災害が起こった時のひとつの楽しみとして、みんなで作れたらいいな〜、と感じました。
 

そして最後に、災害の備品として保管していた非常食のお粥を作ってみました。
お湯を入れるだけでできます。

味も美味しい!

今回はお湯を沸かしていたのでそれを活用できましたが、災害時にお湯が沸かせない状況だった時は水でも作成できるそうです。
ただ、水だと出来上がるのに30分かかるし、何よりホッカホカのお粥ではない。
今回食べた美味しいホッカホカのお粥は、お湯が沸かすことのできる環境だからこそだと思いながらいただきました。



と、防災の意識が上がったワークショップでした。





防災訓練って避難経路の確認とか安否確認の練習とかを想像しちゃいがちですが、今回のワークショップは楽しく防災を学びながらも、まさに今災害が起きて、避難所で生活していく時どうする?ということをイメージしやすく、防災訓練としてとっても良かったです!!!

避難経路の確認や安否確認の練習にプラスして、今回のような避難所へ避難した後の動きにつながるようなワークショップをしていくことも大切だと感じました。



今週末から天気が崩れるようです。
皆さん、災害が起こる前に、危険を感じる前に行動しましょう。
早すぎる避難なんてありません。

このコラムが皆さんの防災意識を高めるきっかけになりますように。




【ライター紹介】
りなぴ。うんなん暮らし推進課 定住企画員。
松江市出身、愛知県での修行を経て雲南市へ孫ターン。
148cmの身長からは想像できないが、狩猟免許を所持するハンター。