空き家を探す

2023年07月19日
りなぴ

箱わな管理講習会


今日のコラムは少々マニアック気味な狩猟トークをお送りしようかと思いますが、皆さんついてきてくれますでしょうか…(不安)

とりあえず見てくれる人がいると信じて書き続けます。



本題に入る前に、狩猟免許について簡単に説明します。

狩猟免許は4つの種類に分けられます。
・網猟免許
・わな猟免許 
・第一種猟銃免許
・第二種猟銃免許

簡単に言えば、銃で仕留めるか、網をかけて捕るか、わなを仕掛けて捕るか。

試験時に複数の免許を受験することも可能です。
例えば、わな猟免許と第一種猟銃免許をダブル受験するとか。

その中でわたしが取得したのは、わな猟免許。
(わたしがなぜ猟銃免許を取得していないのか、その理由も実はちゃんとあるので、それはまた改めてどこかでお話できれば。)

わなもたくさんあり、くくりわな、囲いわな、箱わななど…

以前は鹿を捕まえていたのでくくりわなを使っていましたが、イノシシの多い雲南市では箱わなを利用しています。
くくりわなだと、くくられた足以外は自由が効くので、仕留めるために近づくと逆に襲われる可能性も…。
なのでイノシシを捕獲する際には箱わなを使われる方が多いです。

ちなみに、鹿はくくりわなにかかっても割と大人しくしているので仕留めやすいです。いつか使える(?)豆知識。

ということでまとめると、わたしはわな免許のみを取得していて、わなの中でも箱わなを利用しています。



さて、本題に戻ります。



7月上旬、地域の狩猟免許を取得している方を対象に、箱わな管理講習会を行いました。

箱わなは設置こそ簡単ですが、見た目がわかりやすいのでなかなか捕獲できないのです。
エサ(米糠)をおりの中に撒かなければ誘き寄せることはできないし、もっというとエサを撒いたところで簡単にはおりの中へ入ってくれないのです。
箱わなでなかなか捕獲ができず、苦戦をしている猟師さんも多いかと思います。

今回はそんな猟師さんの声を拾い上げ、講習会の実施に至りました。
 

講師は島根県の鳥獣専門指導員さんにお願いして、座学と実際に箱わなを使った講習を。

座学では
・エサの正しいやり方
・仕掛けのタイミング
・イノシシがおりに入るまでの様子
を教えてもらいました。

個人的にびっくりしたのは、エサの量。
今まで大量に、箱わなの中に満遍なく米糠を撒いていたのですが、実際の量は“お茶碗1、2杯分”でいいんだとか!
毎日のように大量の米糠を準備することがとっても億劫だったので、お茶碗1杯ならば今後の管理の軽減に繋がりそうです。
 

そして外へ出て実際に箱わなを使った講習へ。

講師の方が実際にイノシシ役になって、どのように箱わなへ入っていくのか説明をしてくれました。

最初のうちは、箱わなの周りをうろちょろ。まだ仕掛けはかけていない状態。
慣れてきたら、中のエサを食べるために顔をつっこむけれど、逃げられるように後ろ足は箱わなの外へ。
それでも何も起きなければ、完全に安心しきって箱わなの中へ。
安心しきった様子が確認できたら仕掛けをかける。
ガシャン!箱わなの入口の扉が閉まり、捕獲完了。

およそ1週間くらいでしょうか。
箱わなは耐久戦、です。

わたしはめんどくさがりやで、はじめから仕掛けをかけてしまうんですが、それだとまだ後ろ足を入れていない状態で入り口の扉が閉まってしまい、逃げられてしまうそうです。

イノシシが安心しきっていることを確認する。そのためには何日も何日も箱わなの状況を確認する。
足跡が箱わなの中に入りきっているか、入り口から一番遠いところに撒いたエサが食べられているか…

面倒でも、毎日箱わなの様子を確認すること。それがとても大切だと学びました。
 

講習の後は、それぞれ自分たちがどのように箱わなを管理しているか、どんな箱わなを使っているかなど、参加者で盛り上がりました。

鳥獣専門指導員さんもおっしゃっていましたが、勉強も大事だけれども、何よりも経験だそうです。
とはいえ、わたしのようなペーペーはまだまだ経験不足な上に大した勘もないので、今回の講習での学びを最大限に活かし、害獣捕獲に少しでも力になれたらと思います。



と、今回は一つもボケを挟まず、真面目に、しかもちょっとマニアックな話になりましたが…参考になれば。




【ライター紹介】
りなぴ。うんなん暮らし推進課 定住企画員。
松江市出身、愛知県での修行を経て雲南市へ孫ターン。
148cmの身長からは想像できないが、狩猟免許を所持するハンター。