こんにちは!
ちかちんです。
先日実家に帰宅した際、青々と伸びる稲の苗が一面に広がる光景を目の当たりにしました。
田植えの季節。
早いところはもうお済みなのではないでしょうか。
私の実家では毎年決まってゴールデンウィークに田植えが開催され、家族や親戚が総出で田んぼに向かいます。
ここ数年、仕事のため手伝いができていませんでしたが、子どもの時は毎年手伝わされていました。
毎年毎年、ゴールデンウイークの時に田植えなんて…。
旅行に行きたいし、お出かけしたい、何なら家でゴロゴロゲームしてたい!!
そんな願いは聞き入れてもらえず、毎年お手伝い。
だって苗は待ってくれないんですもん。
「おーい、もー朝だよ!先にかしら(実家の田んぼのある場所のこと)に上がっちょーけん、あんたもはやぁ…てごしにくーだわ!(早く起きて手伝いに来て、の意。)」
朝6時には起こされご飯を食べ、ダサい汚れてもいいジャージに着替え、サンダル履いて。
何させられてんだ。
毎年同じ気持ちになります。
私の家の田んぼは俗にいう『棚田』というやつで、ちっさい田んぼが段々になっています。
なかなかの急斜面を歩きながら重たい苗を運んで、お父さんに渡して機械にセット。
お父さんは、その機械を手で押しながら田んぼの中をゆっくり歩き、苗を植えていきます。
機械で植えるといっても楽ではありません。
機械の力に負けないように踏ん張らないといけないし、足ははまって歩きにくい。
泥に飲まれた足を抜きながら歩くのは、なぜだか腰に来るのです。
すごい肉体労働…。
そのせいか、お父さんはかなりの筋肉質で、まぁまぁマッチョでした。
一方私たちは、苗の植わっていた『苗箱』を近くの小川で洗います。
手が空いた人から、機械では植え切らなかった田んぼの端っこに、手植えで苗を植えます。
また。田んぼをよく見て、倒れている苗を見つけては植えなおす作業も行います。
丁寧な仕事をしないと、収穫の時に響きます。
シビアな世界だ。
まぁ、それも子どもの私には理解できず。
子どもの私は早々に飽きて、いつも裸足で田んぼに入って、イモリやドジョウを捕まえて姉弟でサボっていたこともしばしば。
「何しちょーかね!はやてごさんと、日が暮れぇがね!」
決まって、めっちゃ怒られます。
嫌々感すごいですが、それでもやってしまえば楽しさを感じます。
自然に触れ、上手に植えると褒められて、泥の中もひんやり気持ちがいい。
作業の合間の冷たい麦茶がおいしい。
田んぼのあぜ道に咲くスミレの花も紫色が鮮明でかわいい。
オタマジャクシが散っていくのが、なんだか気持ちがうずく。
蝶々やあめんぼを追いかけるのも楽しい。
どろんこになった体を洗うのに入る小川も気持ちいい。
楽しいことだらけで忙しい。
太陽光を浴びて、適度に体を動かす事もほんとにいいことなのでしょうね。
それに、田植えを終えた後のご飯はほんとに美味しいと、幼いながらに感じていました。
格別ってやつ。
家族親戚で一つのテーブルを囲って、食べるご飯。
焼きそばか、カレーか、松江シジミラーメンか。
大人になったら、きっとビールも最高に美味しいのだろうな。
そのビールを味わうために大人になった今、田植えに参加したいな、なんて邪な気持ちさえ芽生えます。
ゴールデンウイークはそんな感じ。
あとは、毎日田んぼの様子を見て…水の調節、雑草取り、除草剤撒き、害獣よけ対策、草刈り…。
きっと知らないだけで、もっと仕事はあるのでしょう。
学校の無い日は、田植え以外にもてご(手伝い)をしていた記憶があります。
そんな感じで過ごす5月からの田んぼライフ。
まだまだ前半戦。
お米になるまでどれだけの苦労と手間があることか。
こんな生活をしているものですから、幼い時から食べ物に関してのしつけも厳しかったです。
「いただきます」「ご馳走様」「残さない」「おやつよりご飯を食べる」「ご飯はみんなでそろって食べる」「食べ物を粗末にしない」「3秒ルール適用」
「お米の粒の中には、一粒一粒神様が宿っている」なんて教えられていましたが、きっと本当にそうなんだと思います。
記事を書いていたら、なんだか実家のお米が食べたくなりました。
今夜は、たっぷりの白米におばあちゃんの漬物を添えてご飯を頂きたいと思います。
【ライター紹介】
ちかちん。生まれも育ちも雲南市。
おしゃべりが大好きで、出雲弁で弾丸でトークをします。
食にたずさわる仕事をしており、特に美味しいスイーツを日々研究しています。