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UIターン体験談(インタビュー)

雲南市へUIターンをした方々に、その体験談を聞いてみました。

多久和厚さん・ゆくえさんご夫妻

 

松江市出身ですが、長い間東京で働いていました。40歳になったとき、当時勤めていた会社の関係で松江市にUターンしました。その後独立し、地元企業の社長として多忙な生活を送っていましたが、昔から自給自足の生活を夢見ていたので、60歳になったらその夢を叶えようと決めていました。60歳になり、あちこちで畑をやってみたり、住まいとしての古民家を探したり、自給自足の夢を果たせる場所を探していました。

 

 

雲南市に訪れるようになったのは、雲南市大東町にある「山王寺の棚田」の保全活動がきっかけです。何度か訪れていくうちに、山王寺の皆さんのあたたかい人柄に惹かれていきました。今の住まいになっている土地は元々竹林で、ひどく荒れていました。最初は「何とかきれいにしてあげたい」という思いで、竹を切ることから始めました。竹を切っていくうちに廃屋が見えてくるようになり、地域の皆さんの希望から解体をすることにしました。竹を切り始めたころは山王寺に住むつもりはなかったのですが、ひとつひとつ手間をかけてきれいにしていくと、だんだん「ここに家を建てようかな」という気持ちになっていき、そんな流れで家を建てることにしました。骨組みはプロにお願いしましたが、壁張りやペンキ塗りなどはワークショップ形式にして、ネットを使い全国から募集をかけました。遠いところからは高知県や埼玉県からも参加していただきました。地域の皆さんの応援や、ワークショップに参加してくれた皆さんの力をお借りして出来上がった家に「里山ハウス」と名付け、現在も生活しています。電気は太陽光や風力を使った自家発電、水は裏山の水をくみ上げ近所と共有、お風呂は竹ボイラーなど、山王寺の豊かな資源を使った家です。夢見ていた自給自足の生活を送っています。ちなみに、松江市にも家はあり、2地域居住を行っています。特に冬は雪深い場所なので、松江市で生活をしていることが多いです。

 


マコモの六次産業化に力を入れています。有機農業研究者の方からマコモがいいという話を聞き、株を分けてもらったことがきっかけでした。最初はうまくいかず、次は鳥取県の大山のふもとから株を分けてもらいました。育てていけばいくほどマコモを理解していき、どんどん増やしていきました。田んぼはもちろん、米の生育が難しそうな沼地の方が成長するという生命力で、今では山王寺もマコモの生育地として知られるようになりました。手間は米の3分の1程度、空いている田んぼの活用もできて、山王寺の皆さんにも喜んでもらえています。山王寺でマコモの生育を始めてしばらくしてから、出雲大社の本殿のしめ縄はマコモで作られていることを知り、驚きました。マコモの生育をここ出雲の地でやるべくしてやったのだな、と感じました。最初からマコモを狙っていたわけではなく、ご縁に導かれるようなかたちで始めましたが、石を拾ったらダイヤだったような、そんな運命を感じます。今後も山王寺からマコモを広げていき、ここがマコモの聖地になればいいなと考えています。マコモのタケの部分は食材として、葉はしめ縄やパウダー、御座などに利用しています。これからどんどん商品化していきたいです。マコモの六次産業化以外にも、人が集える場として「冒険の森てんば」という場所を運営しています。移住者の永瀬さんご家族にカフェの営業やイベントの企画をお願いして、一緒に盛り上げていっています。山王寺という土地は、ついでに行く場所ではなく目的地として行く場所になるので、わざわざ行きたくなる場所を目指して、これからも様々な企画を行っていきたいです。今は「冒険の森てんば」でグランピングができないかと考えている所です。

 


雲南市は意外と全国に知られているな、ということが分かりました。外に向けての情報発信に力を入れているのが伝わってきます。山や川など資源もたくさんあるので、まだまだ可能性を感じます。山王寺に訪れてくれる人も「すがすがしい」「空気が違う」と言ってくれます。ここは、都会にはないエネルギーを感じる場所ですね。

 


イノシシの被害です。昨年はサツマイモや大豆は全部被害に遭いました。山王寺は山の中にある地域なので、隙をつくるとすぐに入ってきます。囲いをしないといけないのですが、それなりに費用もかかってしまうので、悩んでいます。よく「雪で困りませんか?」と聞かれますが、私は冬になると松江市での生活がメインになるので、正直わかりませんが、除雪車がしっかりと除雪してくれるので、地域の皆さんからも困ったという話はあまり聞きません。ただ、冬になると農業としてはやることがなくなってしまうので、困りますね。

 


移住をする前に、まずは体験をしてほしいです。雲南市の生活とか、地域の人の話とか、何事にも意欲的で、楽しく暮らしている地域の皆さんの姿を見てほしいです。1泊2日では雲南市の生活までわからないと思うので、できたら1週間くらい滞在してほしいですね。雲南市の自然は非常に豊かで、全国的に自慢できる地域だと思っています。なんといっても、コウノトリが暮らしているくらい環境がいい場所ですよ!
 


多久和厚さん・ゆくえさんご夫妻
2014年7月に松江市からIターン
〈2019年4月取材〉