空き家を探す

2024年04月13日
りえ

あれよあれよと雲南移住


はじめまして、りえです。

2023年5月に移住して、古民家暮らしに奮闘していたら「市民ライターになってみませんか?」とお誘いいただきました。




『ほっこり雲南』のコラムは移住前からよく読んでいます。

市民ライターさんから感じる雲南暮らしのおかげか、移住後のギャップも少なく助かっていたので、今度はわたしがそんな記事を書いていけたら嬉しいです。




まずは自己紹介と、移住の経緯を話していきたいと思います。

わたしは福井県の市街地で生まれ育ちました。

スーパーは徒歩圏内にいくつもあり、個人商店が並び、図書館もあり、学校は少し離れていたけど徒歩で通えないわけではない、そんな便利な住宅街です。

島根県だと、松江や出雲に近いのかもしれません。

今思えば十分「街」だったのですが、わたしはそこを田舎だと思い込んで過ごしました。




いろいろあって上京し、東京・神奈川で8年過ごすうちに夫と出会い、アクセサリーの制作販売を仕事にしています。




神奈川にいる時にコロナ禍が始まって、働き方がガラリと変わりました。

都内や地方都市でのイベント販売がなくなって、通販や委託販売へと切り替わったため、在宅で仕事が完結するようになったのです。

これなら、日本全国どこでも仕事をしていけます。




「そういえば、夫の実家がある雲南市には、住まわれていないおばあちゃんのお家があるね」

都内から神奈川に引越す時も、ふんわり島根移住の話題が出たけれど、いきなり東京を離れて仕事が成り立つのか不安が大きく、すぐに候補から外れたあの話。

制約がある賃貸暮らしではなく、自由にDIYもできる、畑もある一軒家の暮らしにも、憧れを抱き始めていました。
 

暮らしていた賃貸。わたしはラット飼育、夫は観葉植物が趣味です。もっと自然豊かなところで暮らしたい、そんな欲も出ていたところでした。




BSテレ東で放送された『都会へ出て暮らそうよ〜雲南市編〜』をYouTubeで観たりして、「あら?雲南市、なんだか良さげな空気が流れる土地だなあ」と感じ始めます。




「雲南市 移住」 で検索して、『ほっこり雲南』の移住者情報サイトに辿り着きました。

キャッチフレーズ「ずっと欲しかったのは こころのふるさと。」

トップ画面には、広がる棚田と、遠くの山々。

いい雰囲気です…。




そうこうしているうちに、2022年7月、夫の実家である雲南市へ帰省することとなりました。

お義父さんの車で、有名すぎる観光地ではなく、市内の名所などを巡ってもらいます。

車で景色を眺めるうちに、大東、加茂、木次、三刀屋、掛合、吉田、それぞれの雰囲気を感じて、どの町に住みたいかもなんとなく掴めてきました。




しかし頼みのおばあちゃんのお家は、想像以上に痛みが激しかったのです。

ここに住むのは現実的ではないかも…としょげながら、雲南市役所を訪れました。

その日はたまたま、市役所に用事があっただけでした。

「ついでに、うんなん暮らし推進課にも立ち寄ってみようかな」

それが転機になるとは、露ほども思わず…。




雲南市が「住みたい田舎」ベストランキングで1位を取ったと聞いていたので、「わたしたちも対象になる補助金とかあったらいいな…」ぐらいの、軽い気持ちでした。

正直に言うと、この時点では移住するつもりは薄かったです。




しかし、うんなん暮らし推進課で出会った職員のお姉さんが、べらぼうに感じがよく、とても頼れる人でした…!

わたしは強く惹かれました。

当初期待していた補助金は、利用できるものが望み薄でしたが、このお姉さんが移住の相談に乗ってくれるなら心強いと感じました。




帰宅後、『ほっこり雲南』の空き家バンク、移住者の声、コラムを読み漁ります。

夢中になりました。

車で回ったあの土地の雰囲気。

出会った温かい人たち。

「なんでもいいがね、世話ない世話ない」とおおらかな空気を纏う、夫の両親。




こんなところで暮らす毎日とはどのようなものか、想像が止まらないのです。

妄想するだけでもう楽しすぎる…!




そして何だか気になる空き家を見つけてしまいました。

築年数不明の古民家です。(後にご近所さんから話を聞き、築100年越えであることが判明しました)




頼れるお姉さんに連絡します。

「空き家バンクは早い者勝ちな風潮もあるから、まずはオンラインで内覧してみませんか」と勧めてもらいました。

そう、市の職員さんがZoomを繋いで、家の内覧をオンラインでさせてくれるのです…!

これはありがたい。

神奈川に居ながらにして、パソコンの前で内覧が始まります。

状態の良い家、自然豊かな見晴らし、高まる鼓動。
 

このL字の縁側があることにも惹かれました。木製建具が残っている家は貴重です。




ただし納屋には、2021年の豪雨災害による土砂が流入していました。

それでも気になるこの家と、広大な畑もついた土地。




ここで何をしよう?

冬は寒いっていうし、薪ストーブなんてどうだろう。

納屋をアトリエ兼ギャラリーにするのも楽しいかもしれない。

いやいや畑で、夫の趣味の観葉植物を栽培しようか。

庭でヤギを飼おうか、烏骨鶏を飼って卵をいただくのも憧れるなあ、ニホンミツバチの養蜂にもチャレンジしたい…。




夢が膨らんで止まりません。

島根移住、気がついたら、本気になっていました。




キッカケは些細なことでした。

でもそれが連続的に積み重なって、大きな引力となっていました。




移住に興味がある方は、その土地を一度訪れてみることをおすすめします。

肌で感じる土地の雰囲気は、画面越しでは得られない濃密な情報をくれることでしょう。
 

雲南で暮らしてもうすぐ一年。

忙しいけれど、毎日充実していて、幸せです。

そんな雲南暮らしを、今後もコラムに綴っていきたいと思います。






【ライター紹介】
りえ。福井県の市街地出身。東京・神奈川で8年間過ごし、雲南市へIターン。
購入した古民家で、田舎暮らしを満喫せんと奔走中。
在宅のフリーランスで、夫婦2人暮らし。